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広告写真の撮り方

グラスの集合写真、形状とディティールの表現が大切

上記の写真はグラスの角版・集合撮影ですが、商品撮影には、単純なカテゴリー3つがあります。

単品撮影は商品を単体で撮影する事。

切り抜き撮影は、撮影した単品撮影・集合撮影の画像を切り抜き易く撮影する事で、写真・画面の中に、映り込みをカバーする為の黒い紙や仕掛けなどが写っている事の多い写真・画像の撮影です。

切り抜きは撮影時に切り抜きする訳ではなく、撮影後にパスツールを使って切り抜いて、イラストレーターなどでデザインに貼り付けます。商品単品撮影の殆どは切り抜き用に撮影しています。

切り抜きせずに、トリミングのみで白やグレーの余白を生かして、使う方法は角版撮影・角版使用と呼ばれます。イメージ撮影や背景を生かした撮影も角版使用と呼ばれ、略して「角」と呼んでます

単品撮影は商品を見せる角度・向き・アングルを注意して撮影していきますが、広告写真を撮りなれてないフォトグラファーやアマチュアが難しいと感じる撮影が「集合撮影」「まとめ撮り」と呼ばれる、カラーバリエーションをまとめて撮影したり、部品パーツをまとめて撮影する事、器や食器、カテラリー、調理器具などをまとめて撮影する、カタログやチラシなどで見られる広告撮影方法です。

集合撮影と呼ぶことにしていますが、呼び方は業者によって変わるかもしれませんね。

この集合撮影の撮り方について、考えてみます。

物が2つ以上あれば集合・まとめ撮影になる訳ですが、2つになった時点で選択する事がいくつか発生します。簡単には物と物と、お互いにつけて撮影するか、離して撮影するかですが、デザイン次第なので、どちらが良いとも言えない事です。

以前、フォトグラファーで駆け出しの頃、撮影と切り抜き、レイアウトをする仕事をしていた時期があり、自分で撮影して、現像して、リサイズしてプリントして、ハサミで余白を切って、フィルムに貼りつける作業をしていた頃がありました。

今から、約20年前はアナログだったので、切り抜きは職人的な仕事でしたが、マックとフォトショップ、イラストレーター、クオークエキスプレスの登場で、そんなアナログのデザインの現場は劇的といっていいほどの変化があり、昨日まで使っていた、製版カメラも、引き伸ばし機も、フィルムも必要なくなり、ハサミはパスツールに変わり、引き伸ばし機はフォトショップの拡大縮小リサイズで済むようになりました。

アナログな機材が必要なくなって、デジタルなソフトとハードで撮影もデザインも進行して、クリーンでスピーディーな現場になりましたが、

写真撮影の基本的な部分は何も変わっておらず、集合写真、まとめ写真の撮り方は当時のフォトグラファー・デザイナーから学んでいて、その基本は今も普遍的なルールとして撮影に生きています。

難しいノスタルジーな話はここまで、

集合写真でルールとしている基本を述べてみましょう。

まずライティング

以前も触れていますが、メインライトは下手から(向かって左からのライティング)です。文字は左から読むので、左からのライティングの方が、一般的に馴染むためです。それにトップライトを入れて全体をライティングするのが基本的なライティングです。

集合の配置の仕方は、商品によって多少変わりますが、基本的な部分を説明すると、

高さのあるもの大きい物は上手(向かって右)から配置する。奥行のある置き方なら、右奥に大きい商品を配置。(ライティングで影にならず、右上がりで見やすくなります。)

あまり隙間を作らず、まばらにならないように配置する。(写真が小さくなっても商品が1個ずつ見えるように)

商品を重ねる必要があるときは商品の7割以上は見せるようにする。

タオルやノートなど四角いものなら、角を3つは見せるようにする。

同じ商品のカラーバリエーション集合であれば、色がわかるだけで良いので、重ねて配置する。

複数の種類の商品の場合は、種類別に配置して、混ぜないようにする。

他にも注意点はありますが、基本はこれ位です。

これを基本に配置をしていくと100点の大集合でも、なんとか絵になります。(そんなに多い集合は滅多にありません・・・)

それでも、「言うは易し」で実際に配置してみると難しい集合の商品撮影もあり、

陶器の集合など、割れ物なので、気を使いますし、タオルや衣類の集合もデザインやロゴの文字など、見せる部分の位置などを考慮して配置していきます。

そして商品ではなく人物の集合でもルールがあって

人物の集合写真の場合は中心に向かって人が斜め45度位の角度で内側に向かっていくと肩がぶつからず、狭いスペースでも人がたくさん入れます。あとは身長の高い人が後方になるなどの基本的な事ですが、はずせないルールです。

商品撮影のジャンルは沢山ありますが、集合撮影は地味ながら、フォトグラファーの配置センス・美的感覚が問われる広告撮影ですね。(スタイリスト・デコレーターがやってくれる場合もありますが・・)

広告写真の基本を大切にして、商品撮影の高みを目指したいですね。

 

 

 

 

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